うちの庭は東京のアパート育ちの僕からするとけっこう広い。 去年勃発したのは、この庭をどうしていくのかという問題。
妻は芝生があおあおとしていて、その周りに作られた、なんっていうんだろ、「ガーデニング!!」っていう綺麗なお庭がいい。
僕は、この土地に自然に生えてくる植物たちが生き生きと育っていて、天然の野草ハーブガーデンで色々とって食べたりしたい。そしてその植物たちの遷移を毎年驚きとともに愛でたり、そこにやってくる虫や鳥や獣たちを愛でたりしたい。
僕の好みは妻からすると、荒れたままにする、ということになるようで、ご近所にも恥ずかしいやら迷惑かかるやらで顔向けできない。
妻の好みは僕からするとここにある自然な生態系を無視した破壊。芝生なんて、緑はあるけど自然はかけらもねーよと思っちゃうわたくし。 そんなことに大金はたかなくてはいけないのかと思うとゲンナリする。
そしてそれを聞くと妻は悲し過ぎて泣き出す。
みたいな状態だったわけですよ。
皆さん、こんな状況だったらどうしますか。
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パートナーとの共同の創造で重要なことはいくつかあります。
ひとつは、バイキングで夫婦でお皿1枚に好きなものをとってきてください、みたいな想定で、僕はこれが欲しい、私はこれが欲しい、って、なんていうのかな、乗っけ盛り方式にすること。
もう一つは、とも言えるし、そのためにはとも言えるんだけれど、お互い、真実の願いを自分の中に見つけていくこと。本当はどんな「体験」を求めているのか。最高な気分になるのは、どんな体験があった時なのか。 そういうことを、自分の中に見つけていく。
最初の頃は、上記の通り庭をどうするか問題を話し合うのが辛いくらいの状態だったのですが、気を取り直してこんなふうに取り組んだのね。
桂子さんが庭で得たい体験とはどういうものなのか。 僕が庭で得たい体験とはどういうものなのか。
それを二人でじっくり探っていった。
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それをじっくり探っていく中ではっきりしてきたことがいくつもあって。
桂子さんは、家の中から窓越しに綺麗な庭や木々を見てうっとりするのが最高に幸せ。(そ、そうなんだ!) キッチンに立った時に正面の窓から美しい木が何本か見えていたり、ダイニングテーブルに座ってお茶を飲むなんて時にその前の庭からやはり美しい木が見えたり花が見えたり。
一方僕は、ここに本来生えていていい植物が健やかに育っていて、だからこそエネルギーを蓄えている、その葉っぱやらベリーの実やらをちょっとつまんで食べたりする。二人で一緒に。訪れる蝶や蜂をみて心癒されたりする。
そういう体験がたまらん。と二人して別々にうっとりしながら語りました。
このくらい焦点があってくると、乗っけ盛りしやすくなるわけ。
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こんな話がだいぶ固まってきた時にネット検索の達人である妻が見つけてきました。
「北海道の気候に合った自然に近い風景のお庭を作る」という信念を持った庭屋さん。
いくつかお庭屋さんに来てもらって提案してもらったんだけれど、このお庭屋さんがね、なんといっても植物への愛や自然への愛、土への愛などずば抜けてました。
それでアイミツとって一番高かったけど、ここしかないねということになった。
現場を取り仕切ってる女性は蓼科で西の魔女にハーブのことをたっぷり教わってきた方で、食べられる植物がたくさんうわっているし、ジューンベリーの実が楽しめる。 植物たちともよく会話してくれているっぽいし、ほんとすばらしい。
そして家の中から見たら妻が求めていた庭そのもの。
さらにこの流れになったら臨時収入がたくさん入って、全然問題なく支払えてしまった。 家建てた時もだけれど、二人のヴィジョンが揃うってすごいパワー。
そんなお庭がもうすぐ満1歳。とても健やかに元気に育っております。
どんどんすくすくと育ってもらえるようにと設計されてもいる。
これが、元々ヴィジョンや価値観が合うわけではない人との共同の創造。
ヴィジョンで共鳴した人と何か作るのは、たぶんけっこうできる人もいると思う。
そうじゃなくて、ただこの人が好きで一緒にいるけれど、合わないところがたくさんある、そういう人と一緒に創造していくのにはいろいろコツがある。 その辺の探究が最近はほんとおもしろいです。
興味のある人はぜひ無料説明会とかにもきてみてください。
写真のシロヤマブキちゃんはまた伝説を生んだ子なんだけれど、その話はまたいつか。
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