現在中3で受験生の長男くん。
これまでも #大きく見せる防衛の子育て シリーズに登場していますが、いや〜、あれですね、受験って親がいろいろ試されますなあ。 という体験中のあたくし。
家庭教師の先生と話をしていて言われるのが「彼はけっこう賢い。理解力もあるし、瞬発力もある。ただ、思い込みが激しくて問題を読み間違えるし、それを指摘してもなかなか気づけない。それも含めてミスが多く、見直しがうまくできない。」みたいなこと。
前よりは随分マシになったんですけどね。
そして現在、第一志望としてきた高校が客観的にはかなりピンチ。
本人もいるところで進路相談していて、先生も僕ら親たちも、むむむ、なかなか厳しいね、と焦っているけれど、本人はなんだか余裕かましてる。
滑り止めの話をしても、「そんな低い高校にはいきたくない」ってはっきり意見を持っているけれど、「今のままだと志望校はかなりピンチだよ」ということについては、なんかピンとこないというか、意識がどっか行ってしまう、みたいな感じになります。
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こういうときには親が過剰に不安がってネガティブな想像力を働かせている場合もあれば、本人がポジティブな幻想に逃げ込んでいる場合もあります。
そういうところを見極めるのに、アーリートラウマの知識がすごく役立つ。
そして我が家の例では、彼が余裕かましているのが、成熟した大人の意識でどっしり構えて覚悟を決めているのではないということが、僕らからは見て取れる。残念ながら。
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GFLで扱うアーリートラウマ(発達初期のトラウマ)で、「自分を大きく見せる防衛」っていうパターンがあります。
体が動くようになって、何でも自分でやりたい時期に、自分よりも大きな力が守ってくれるから大丈夫、という安全感を十分体験できなかったパターン。
客観的に親がどうだったかっていう話ではないんですけどね。本人の体験として。
で、そうなるとどうなるかというと。
自分を守ってくれるものはない。何も信用できない。自分が強く賢くならなくては。 っていう信念が育っていくわけです。
さらにそれは、「弱みを見せたらつけ込まれる」「いたらなさや、できてなさは致命的」という信念につながっていく。
このパターンが強いと、自分のできなさについての痛みを回避するようになります。
見直しが苦手だったり、一度つまずいたらその問題でバグってすごく時間を使ってしまったり、というところにその傾向が顕著に現れてる。
そして別の「自分をいないことにする防衛」と組み合わさると、ポジティブな想定はできても、ネガティブな想定(志望校に受からなかったらどうするのか、とか)では想像力が停止してしまったりするわけ。
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ということで。
彼にとってはこの「できてなさ」をニュートラルに見て対応する、という課題が今まさに浮上しているところ。
できていない=安全でない、なので、単に「ほらできていないよ」と指摘するのは追い詰めることになってしまうから難しいんですけれどね。
そして法則としては、取り組まずに放置した課題は、より深刻な状況を呼び起こす。本人が目覚めるまで。
受験に落ちてから取り組むか、まぐれで受かってもっと先で取り組むか、今取り組むか。
選んでいいなら、今取り組むのがいいに決まってる。
この課題は元を辿れば、守ってもらえない、という経験をもとにした信念につながっているので、僕ら大人たちがどれだけ彼に守られている感を感じてもらいながら、でも本人が取り組むしかないこともわかってもらえるか。
いや〜〜〜、むずかしいねえ。
でもなんとかいい対応してあげたいなあ。
だってこのミスの多さや雑さが減っていけば、せっかく出会えた行きたいと思える学校にも行けるはずなんだもん。
みたいなことに取り組んでいる我が家でした。

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