自分に配偶者がいる状況で、婚外恋愛の相手と配偶者と、どちらとどうしたらいいんですか、というようなご相談を受けることは、実は結構あります。
実際難しい問題ですよね。
その中でも配偶者との関係は、もう修復不能なほどだし、なにより修復しようという意欲が1gも湧いてこない、みたいな状況だったら。
この状況、男性側はほとんどないですが、女性側にはよくあります。
1gも湧いてこないなら、そもそもなんで夫婦続けているの?って話にもなってきます。
ここは慎重に見極めた方がいいところですが。
まあでも仮に、婚外恋愛の恋人と結ばれたい、だから今の配偶者とは別れたい、とそれが100%はっきりしていたとしたら。
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そうだとしたら、ちゃんと別れ話をしたらいい。
そしてその時に、僕の経験では「他に好きな人がいる」っていう話はしなくていい。
なぜならたぶんそれが別れることになった理由じゃないから。
別れていいってほどすっかり関係が悪化して、その結果、外に恋人ができただけ。
もともと関係が壊れていっていた。
そっちが先です。
別れることになった「原因」は、そこにある。
外に恋人ができたのは、「結果」であり、最後のダメ押しみたいなもんです。
原因と結果を取り違えたら、話はぐちゃぐちゃになります。
それに現在の法制度では、婚外恋愛をした側に非があることになってしまうわけですが、それが元の婚姻関係にあった二人の関係を、さらに破壊的なものにしちゃうことがよくあります。
まずいいことはありません。
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話を戻して、あなたから別れ話をするとして。
元の婚姻関係の相手とは、なにがどうして関係が壊れていったのか。
これはあくまで二人の関係が、どのように悪化していったのか、って話でね。
それをまずはじっくり感じて言語化していくことをお勧めします。
その関係性の中で、何があなたを苦しめてきたのか。
それに対してあなたなりにどんなふうに改善を試み、どんなふうに挫折してきたのか。
そうしたプロセスの中で、あなたが重ねて痛みを感じることになったのは、どんなことなのか。
それはどんなふうにあなた自身を大切にしようとしてのことか、そしてどんなふうに相手やこの関係性を大切にしようとしてのことか。
別れの総括にあたって、話し合われるといいのはこういうことだと、僕は思います。
相手がそれを素直に受け止めてくれるとは限りませんが、あなたの中の願いや価値観、それゆえに抱えてきた痛みを、あなた自身が理解し受け止める機会になります。
それがあなた自身の別れを、深く自己承認する機会になります。
そしてもし可能ならば、自分の認識に誤解がなかったかどうか、など尋ねてみることができたらなおいい。
運が良ければ、相手の中に起こっていたことを、初めて本当に知る機会にもなるかもしれません。
その機会は、終わらせるこの関係に残っている愛を踏みつけて消すのではなく、大切に見送ることにつながるだろうし、新たに始める関係性への財産にもなるはずです。
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