質問:真実を明かす練習をしているときに、真実の気持ち(痛みとか願いとか)を背景も含めて話すと、むしろ相手が怒り出すシーンが多いと感じています。何が起こっているのでしょう。
みたいなご質問をいただきました。
これ、なかなか重要なポイントですよね。
実際、背景を含めて話さないことには意味が通じないことも多いので、それ自体は全然間違っていない。でもその背景の話し方にはコツがあります。
例えば、
①あなたが私に○○したから、またはあなたに○○されたから、 ②私はこんな気持ちになっている
例) ・あなたに無視されたから、悲しかった
この言い方だとかなり真実じゃないことが含まれてしまうのがわかりますでしょうか。無視された、傷つけられた、裏切られた、軽んじられた、みたいな特定の相手が自分に何かした、みたいな動詞はこの手の対話で使うのはリスキー。
もし使うならあくまで、あなたの意図はともかく自分はそう捉えた、とはっきりわかるようにする必要があります。
それを踏まえ、もし分解するなら、①をもう少し正確に捉える練習をするといいです。
例えば、
①こういうことを見て・聞いて ②それを私はこういう意味だと受け取って ③こんな気持ちになっている
って分解できるといいです。
①昨日挨拶した時に返事が聞こえなかったのを ②あなたが私を無視したのだと受け取って ③ショックと悲しさを感じました
みたいな感じ。
こういうふうに捉える習慣をつけること自体が、自分を知ることになるし、大人の意識を育てること、アーリートラウマ的な反応を癒していくことにもつながります。
①の出来事自体が認識違いだったらそのことに気づけるかもしれないし、②の受け取り方で何か起こっているならそのことに気づけるかもしれない。
③は場合によっては、自分が大切にしたいことも添えられたらいいかもです(私としてはあなたとはいい関係でありたいと思って日々過ごしているから、とか)。
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その上で、
①昨日挨拶した時に返事が聞こえなかったのを ②あなたが私を無視したのだと受け取って ③ショックと悲しさを感じました
④これを聞いてどんな気持ちになる?
って聞けたら、真実の対話に近づいていくことになります。
相手からの答えには、いろんな可能性があります。
→「ん?返事したよ?聞こえなかった?」①で誤解があったパターン
→「え、そうだっけ。覚えてないけど昨日は朝から一杯一杯だったから反応薄かったかもしれないね。ごめんごめん。」②で誤解があったパターン
→「いや、そしたら私も言わせてもらうけど、前の日にみわちゃんに言われたことで、モヤモヤしててうまく返せなかったんだ。」誤解はなかったけれど関係性の問題が共有されたパターン
などなど。
三番目のパターンの時には、さらに対話していく必要が生じる。こちらの痛みや願いをこころを開いて語っていったり、相手の痛みや願いを聞き届ける必要があるかもしれません。
でもそれ以外なら、自分の大人の意識で防衛的な子どもに本当に起こったことを教えてあげるだけでいい。そして意外とそういうケースは多いの。
②のところで僕らはすでに投影・転移のストーリーにハマっちゃってることが多い。でも真実に出会えたら、その夢から目覚めることができるわけです。
写真は先日の朝焼けの窓
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