自分の完璧じゃなさを責めていたり、バレたらいけない、と強く感じているときって、この「きちんとする防衛」が働いている時だったりします。
重症な場合は、食品の成分表示をとっても細かく気にしたり、清潔さに強いこだわりを持って除菌しまくったり、他の人から「そこまで気にしなくてもいいんじゃない?」って言われる感じになりますが、そうじゃなくても自分は容姿がいいから愛されている、能力が高いから愛されている、でも自分の本性がバレたらおしまいだって思う感じもこの防衛のことが多いです。
昔の童話とか子供向けアニメとかだとハイジのロッテンマイヤーさんみたいに、やたらと厳しい大人がよくでてきたものですが、そういう人もこの防衛が強いパターン。
僕はそういう完璧主義的な感じは少ないんだけれど、でも明らかに20代の頃はこの防衛が作り出す問題が強烈に出ていました。
昔から知ってる人は読んだことあるかもしれませんが、僕は18〜26歳くらいの間、「魂の闇夜」とでもいう危機の時代を過ごしていました。
その時の僕の感覚では、すべてのものが意味がなくなってきて、生きていることも、この世界も無意味で空虚なものに感じられていた。リアリティもなく、すべてがガラス越しのような感覚。
その空虚さの感覚はすべての方向の地平線からじわじわと、僕の生きる世界全体を蝕んでいくし、僕のこころは、進行性の石化の病にかかったようにどんどん無感覚になっていきました。
それはそれは恐ろしい年月でした。
今から思うと、この時期に「きちんとする防衛」のテーマが浮上していたのでした。(同時に、「自分をいないことにする防衛」と)
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この「きちんとする防衛」って、一見そう見えないけれど、隠れた本質的なテーマは「愛とセクシュアリティ」。
こう言っちゃなんですが、ロッテンマイヤーさん、明らかに愛とセクシュアリティに問題抱えてそうでしょ。
この防衛(サバイバルスタイル)を発達させなくてはならなかった人は、体の内側の感覚・衝動とつながって表現するのは危険だと感じ続けていた過去があります。
子供にとっては、お父さん大好き、お母さん大好き、っていうのは、抱きついたりして肉体の全身で感じる体験なわけですが、その肉体性を切り離さなきゃ愛されない、となんらか誤解してしまった上で、その世界で生き残るために発達させるサバイバルスキルなんです。
自分の肉体と、自分のハート(感情)を切り離してしまう防衛。
プラトニックな恋愛しか選べない人や、逆に愛のないセックス依存みたいになる人もこのサバイバルスタイルが大人になってトラブルを起こすようになっている状態です。
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自分の肉体と、自分のハート(感情)が切り離されてしまうとどうなるか。
本来、自分が生きる時のよりどころになるはずの体の感覚(感情以外の)から切り離されちゃうので、自分の外によりどころとなる正しさの基準をもとめる必要が出てくる。それがなくては恐ろしくて生きていけなくなるんですね。それが細かいことをひどく気にする「きちんとする防衛」になっていく。
このきちんとする防衛は、5歳6歳とかそこそこ年齢がいってから形成される最後のものなので、その分、個人差が大きくて、問題の現れ方もアプローチも様々になってきます。
でも共通するのは、とにかく自分の体とつながること。
外側の基準に支配されている構造から、自分の内側に従う独立を勝ち取ること。勝ち取るっていうか、ゆるんで自分にサレンダーするというか。
僕のこの傷は、それまで外側のどこかにあるはずと思っていた宇宙の法則みたいなよりどころを諦めて、自分自身が今感じている身体感覚こそが信頼に値するんだ、と心底思ったときに一気に大部分が癒えたんですよね。
きょうはここまで。
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