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魂の闇夜の時代の話5
ひとまず最終回です。 前回 までに、魂の闇夜の様子と、そこから抜け出したことのことを書きました。 さて、この体験を経て人生がどう変わったのか、ということを書き記しておこうと思います。 まあ、いっぱいあるのですけれどポイントを絞って今日は1つだけ。 *** その一つは、「ことば」というものの捉え方が全く変わったということ。 闇夜の最中は、自分の言葉に全く命が宿っていないのを感じていました。 それでもう、どうやって言葉を紡いだらいいのかもわからないくらいになっていた。 でも、「イマココの自分の体験」こそがリアリティの基盤だという理解が訪れてからは、今ここにいながら言葉を紡ぐということができるようになった。 そして言葉が意識と無意識を構造化しているということがわかった。 話している言葉が自分の意識と無意識をかたどっていて、使っている言葉が自分の見ている世界を反映している。 実際に口で話しているだけでなく、無意識の中での思考も含めてですね。 自分が見ている世界は、自分の意識と無意識の中にある言葉そのものだとわかったのでした。 *** 日本語では水とお湯は
二子渉
3 日前読了時間: 4分


魂の闇夜の時代の話4
何をやっても、進行性のこころの石化の病みたいなものは、止まらない。 7、8年かかって万策尽きて、最後半年くらいは、かろうじて生ける屍のように過ごしていたある日、変化が訪れました。 というところまで 前回 書きました。 この変化というのが実に興味深くて。 というのは、僕が何をしたわけでもなく、ある時その暗い夜が明けた。 まるで夜が来て朝が来るみたいに。 そして朝の訪れは唐突でした。 *** その日、気がついたら僕は多幸感に包まれていました。 そのころまでに長らくリアルな感覚を味わっていなかったので、僕の意識はすっかり何の期待も持たずに、眠らないぎりぎりみたいなところにいた。 なのでいつこの多幸感が訪れたのか、はっきりわからなかったのですが、気がついたら、やさしくやわらかくあたたかい光に包まれているかのような感覚の中にいました。 それはあまりに疑いようのないものでした。 それが丸3日くらい続いた。 その年の1月25日にそのことを書き留めたのを今でも覚えているので、1月23日くらいから始まったということかな。 何が起こっているのかは相変わらずわからなか
二子渉
5 日前読了時間: 3分


魂の闇夜の時代の話3
そんなわけで 、僕は大学に入りたて、18歳かな、の時に 生きていることも無意味で、世界の何もかも無意味、 リアリティの全てがガラス越しのような、じかに触れられないような感じ、 そんな世界に突然入り込み、しかもその症状(?)は悪化の一途を辿っていきまして。 その絶望的な、ん〜、なんていうのか苦しみからなんとか逃れたかったのです。 で、いろんな人にどうしたらいいか聞いては、すべて実行していった。 部活のオーケストラで音楽に邁進したり、真に意味あると思っているものに集中してみたりね。 太陽光発電の研究は、僕にとって真に意味があるものだと思っていた。 あるいは恋愛したらいいんだと言われれば、そのように努めてみたり。 とはいえもう、こころが動いていないから無理なんだけど。 この時期図書館であらゆる棚を見て回って、いろんなジャンルのいろんな本を読み漁ったりもしました。 そうして一つずつ、「これをやってもダメだった」という実績が積み重なっていきました。 これまで、全力でやってもどうにもならないことなんてなかったのに、1mmもよくならない。 何をやっても、進行性
二子渉
10月19日読了時間: 2分


魂の闇夜の時代の話2
(その1は こちら ) 当時体験していたことを、のちに僕は「魂の闇夜」と呼ぶようになりました。 それは図書館でたまたま出会った本に描かれていた、「十字架の聖ヨハネ」というキリスト教の修道士が語る「魂の闇夜」という概念との出会いがきっかけでした。 数百年前に、僕が体験していたことと、おそらく全く同じことが文字になって残されている。 そしてその解説はとても納得感があったのです。 僕が知ったところによると、「魂の闇夜(dark night of the soul)」とは、 スピリチュアルな探究の中で直面する人がいる、 「光の消えたような、神の不在の感覚」を指します。 聖ヨハネの属していたキリスト教の修道会では、大いなる働きは「神」ともちろん呼ばれていますが、Chat GPTが彼の著作を元にまとめてきたのはこんな感じ。 *** 第一の闇夜:感覚の闇夜 祈りや修練を通じて喜びを得ていた段階を過ぎ、突然それらが空虚に感じられるようになる。 神が近くにいる感覚も慰めも失われ、祈りや善行が味気なく、無意味にすら感じられる。 これは退歩ではなく、より深い信仰への招
二子渉
10月15日読了時間: 2分


魂の闇夜の時代の話1
僕は都立の西高校を卒業し東工大(現: 東京科学大学 )に進学してからすぐに、「魂の闇夜」と呼んでいる大変な精神的危機の時代に突入し、それが終わるまで約8年かかりました。 その時点で人生の1/3近くを暗闇の中ですごしたことになります。長かった。...
二子渉
10月5日読了時間: 2分


「◯◯差別」という概念が、健全な時/破壊的な時
◯◯差別とか◯◯ハラスメントとか、ルッキズムとかもそうなんだけど、正義の概念みたいなものが人を守るときと、不当な暴力になるときはどんな場面か。 昔からとても関心があります。 今日はそんな話。けっこう超大作。 まず、僕の周りには差別の当事者がそこそこたくさんいます。...
二子渉
9月29日読了時間: 7分


GFL格言集
怒りを相手にぶつけるのは、ほとんどの場合、関係性にとって破壊的です。 そしてそんなこと百も承知という人も多いわけなのですが。 でも自分の中に確かにある怒りを、「ないこと」にしちゃうと、それもまた関係性に破壊的に作用しかねない。...
二子渉
9月19日読了時間: 2分


この人とはもう無理だなと思うのはいつか その3 親子関係の再創造
ここまで書いてきたように(詳細は その1 、 その2 をご覧ください。) GFL以前、結婚1.0、2.0では、話し合ってもどうにもならなくて、そのストレスが心身の健康を損なうくらいになったら、それはもう関係を手放すサインだ、と捉えるのに対して、...
二子渉
9月12日読了時間: 4分


この人とはもう無理だなと思うのはいつか その2
GFL以前と、GFL以後の関係の築き方、とくに「この人とはもう無理だな」と判断するタイミングみたいなことを巡って。その2です。 前回は 、GFL以前、そして典型的には結婚2.0の関係性の築き方ベースではこうなる、という話をしました。 今回は、GFL以後の関係性の築き方。...
二子渉
9月5日読了時間: 3分


この人とはもう無理だなと思うのはいつか その1
GFL以前と、GFL以後の関係の築き方は、僕にとっては全く別次元で違う。 決定的に違うんだけれど、その違いは実はかなり微細なもの。 結婚2.0と3.0の築き方の違いでもあるんだけれど、夫婦・カップルの関係性に限らず、「解消しちゃうと望みから遠ざかる」ような関係なら何でも当て...
二子渉
8月29日読了時間: 3分


アーリートラウマを直感的に理解する
アーリートラウマについて興味ある方はぜひ読んでみて。 なかなかいい例えができたと思うのです。 アーリートラウマって、蜂の群れのようだなと思ったんですよ。 アーリートラウマっていうのは、発達の初期、胎児期から6歳くらいまでに形成される認識とストレスへの対応パターン。...
二子渉
8月22日読了時間: 3分


自立と、健全に彼に頼ることの境界線がわかりません
自分の幸せは自分で面倒を見る、というのが精神的な自立の基本。 誰かのせいにしないし、環境のせいにしない。 そのことと、夫(彼氏)に頼るみたいなことの境目がわかりません。 みたいな疑問を語られる方がちょくちょくいます。 特に、男性は女性のためにできる限りのことをしてあげたい生...
二子渉
8月9日読了時間: 5分


言語化のトレーニングは、思考するのとどう違う?
僕には血のつながらない息子がいまして(桂子さんの子どもね)、 海外留学中の高校生です。 彼にはガールフレンドがいまして、その彼女との関係の築き方がほんとにすごくてですね。 この歳からもう結婚3.0みたいな実践をしてる。 「結婚3.0」と呼んでるけれど法律的な意味の結婚とは関...
二子渉
7月29日読了時間: 3分
[再掲]与えられた分だけで十分幸せに生きていけます、の病理
先日、僕は「願う」「望む」「欲しがる」といった創造の第一歩を、どんだけサボってきたのか、ってことを書いたんですが、これ、うっかりサボってたのかと思いきや違った。 明らかに乳児期のトラウマの影響でした。教科書的な例だ。しまった。...
二子渉
6月16日読了時間: 2分


子どもの愛は無条件
土、日、月と森の中の宿泊施設で子育てとアーリートラウマをテーマとした合宿ワークショップ、「おやこのあいだ 〜心の森の奥深くへ〜」をやっていました。 その話はまた別に書けたらと思っていて、今日は僕自身の親子関係についての別の話。 *** 娘のあーちゃんは現在約3歳半。...
二子渉
6月5日読了時間: 2分


祖国日記 人はどうやって特徴を捉えてる?
わりとどうでもいい小話。 僕、若い頃のあだ名の一つが「スナフキン」でした。 それでスナフキングッズをけっこうプレゼントされたりしていたのです。見た目も性格も似てたからつけられたあだ名なのです。 今から思うと当時は特にアーリートラウマのタイプ別の特徴が、実に僕とピッタ...
二子渉
5月21日読了時間: 1分


執着する姿は、時に、美しい
執着っていうのは苦しみの元だ、とはよく言われることです。 どう思いますか。 実際そういうことは多いですし、お釈迦様もそう言ってたはず。 でですね、物質的に十分豊かになって以降の日本社会では、精神的な充足や自立をサポートするサービスがたくさん出てきまして、今では山ほどあります...
二子渉
5月14日読了時間: 3分


パートナーに理解されたいという願いの行方について
パートナーにありのままを理解されたい、受け入れてほしい、と願っている人は多いです。 その意味で、けっこう普遍的な願いかもしれない。 でね、今や割と世の中でも言われているのが、 「自分のことを誰よりも理解できるのは自分自身」とか、...
二子渉
5月7日読了時間: 3分


「自由になりたい問題」の本体
パートナーとの関係で、もっと自由にしたいのに、パートナーが嫌がるからできない、という声は実によく聞きます。 今日はこの「自由になりたい問題」によくある誤解のようなものについて、あるいはその本体について書いてみたいと思います。 ***...
二子渉
4月9日読了時間: 4分
うちの子自慢、彼が身につけた愛の形
ちょっとすごいことになってるので、すみませんが自慢がてら語らせてください。 子どもが親を見て、結婚に絶望するのか、希望を持つのか。 愛について、希望を持てるのか、絶望するのか。 これって重大な影響がありますよね。 僕自身は、両親は仲良かったけれど、...
二子渉
4月7日読了時間: 5分
ブログ: Blog2
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